究極のペーパーレス会議!?全く紙を使わないChatWork社の会議を覗いてみた

メール、電話、会議に代わる新たなコミュニケーションツールとして登場した「チャットワーク」。個人事業主から大手企業、官公庁まで、さまざまな場面で導入されています。

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▲チャットワークのチャット画面

果たしてチャットを使う会議とは?会議室に社員が集まり、参加者の数だけ紙の資料を配布するような従来型の会議とどう違うのか。

そして、そこには紙は存在するのか。

ChatWork株式会社へ。チャットワークでの会議を覗いてきました!

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さっそくですが、こちらがその会議の様子。チャットと聞くと、テキストを想像した方もいるのではないでしょうか。しかし、今行われているのは「ChatWork Live」というビデオ通話機能を使った会議。画面に映っているのは大阪で働くエンジニアの方だそうです。

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椅子に座り、後ろ姿での登場となったのが、常務取締役の山口勝幸さん。今回の「チャットワークを使った会議を見せて欲しい」というお願いを快く引き受けてくれました。

「本当は海外と繋いでいるところをお見せしたかったんですが。大阪で許してください(笑)」とのこと。

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ビデオ通話中も、もちろんテキストでのコミュニケーションもできますし、参加者のPC画面を共有することも、資料の送信や表示もできます。

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当然ですが、完全に無線。同時に10拠点以上を繋ぐこともあるそうです。コミュニケーションは実際に顔を合わせて行う会議と何も変わらないレベル。いや、資料の共有の速さ、手軽さなどは、それ以上です。

常務取締役 山口氏に聞く。「紙は諸悪の根源」社員のデスクの引き出しを捨てた!?

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—会議を覗かせていただきありがとうございました!正直、紙を使う気配すらありませんでした(笑)。まさにペーパーレスな働き方ですね。

山口:それで言うと、ペーパーレス化は意識して進めた部分もあって、だいぶ前のことですが、デスクの袖机なくしたんですよ!キャビネットというか、引き出しが3つ4つあるやつです。「引き出しがあるからそこに紙が溜まるんだろう」って判断ですよね。まだ20〜30人ぐらいの時でしたけど、そこで勢いが出たと思います。

我々が「ITを使いこなして、業務を効率化していきましょう」って発信する時に、まず自分たちそういう働き方を実践してなきゃダメでしょ!っていうのがありましたね。

あとは、これは会社の文化みたいなものですけど、「何かしよう!」って新しく動き出す時に、「やらないことを決める」文化があるんですよ。

—やらないこと、ですか?

捨てる勇気と言いますか。目標でも事業でもいいんですが、「新しいもの」を手にいれるためには今持っているものを何か捨てないといけない。それで言うと、かつて「チャットワーク事業にフォーカスしていこう」ってなった時も、その他の事業やめたんですよ。そこそこ売上ある事業もね。アホでしょ?(笑)

—いや、本当に勇気のいることだと思います。普通なら欲張ってしまいそうにも思います。

山口:信条として「ストレスフリー」という言葉をよく使っています。無理は無理しか生まない。頑張り続けるのはいつかダメになるから、頑張らなくても成果出せる仕組みを目指すんです。人と仕組みに投資しましょうっていう。

—つまり、ストレスになるものの一つが、袖机に詰め込んでしまうような「紙」だったということですね。

山口:そうですね。引き出しにつっこんだ紙って最終的に見ないでしょ?というのもありますし、もう一つは「探す時間」ですね。今、ビジネスマンって平均で年間150時間を「探しもの」に使っているらしいんです。だから「あの書類どこいった?」っていう「探す」ことを「捨てた」んです。それって、ITの力で「検索」すれば終わりでしょ?

—はい。おっしゃる通りだと思います。

山口:そう考えると、我々にとって「紙」は諸悪の根源だったんです(笑)。社員の中には在宅で勤務しているエンジニアがそれこそ全国にいて、代表取締役の山本はアメリカ・シリコンバレーにいます。それでも横に座っているかのようにコミュニケーションとりたい、情報共有したいという思いがあって、紙だとやはり時間と距離を超えて共有することはできないんです。

—とはいえ、袖机を捨てた時に社内の反発はなかったのですか?

山口:そこは共感してくれる方が強かったですね。時間がかかっても、業務に合うように創意工夫する。そういうのが好きな社員が多いんだと思います。

もちろん、「紙」にも必要なものがあるので、それはデジタル化してクラウドで保存していましたね。ちなみに、クラウドを導入したのは8〜9年前ぐらいとかなり早い段階でした。まだ日本に「クラウド」という言葉がなかった時期かもしれませんね。インストールしないで使えるなんてラッキー!みたいな感じでした(笑)。

当然ですが、「捨てる」とか「働き方が変わる」ことに違和感は絶対あるんです。でも、例えばその違和感が“マイナス5ポイント”だとしたら、それを恐れず新しい“プラス2ポイント”を取りにいけるか。最初は違和感があるかもしれませんが、前に進むためには大事なことだと思いますね。

チャットワークで実現する「相手の時間を奪わない働き方」

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—会議の様子からですが、チャットワークがあれば、紙は要らないということになってきそうですね。

山口:はい。ただ、紙というか「物を書く」ことは個人的にはあっていいと思っています。それはチャットのようなテキストのコミュニケーションだと、やっぱり認識のズレが出ることがある。言葉の定義やニュアンスって人それぞれだったりしますからね。

なので、実は何かを説明するときに動画を送ることも多いんです。相手が見ていなくもいいんです。絵や図、何らかのサイトの構成なんかを説明するときに「ここって、こうやって、こうなってたらいいと思うんだよね」というのを、手を動かしながら動画を撮る。1人でですよ(笑)。それをYouTubeの限定公開などにしてチャットワークで送る。そうすると、声も入るし、言葉の強弱も伝わるじゃないですか。

—なるほど、それを相手が好きな時間に見てくれればいいと!

山口:そうです!これは袖机を捨てた話に近いんですが、「アポイント取るのやめよう」という考え方がありました。例えば「月曜の15時にミーティングしましょう」みたいな。実はこれもストレスのひとつなんですよ。「いやー、その時間はちょっとダメなんですよ。他の時間はどうですか?」みたいなこと、必ず起きますよね?

ちょっとした話をするために、お互いの予定を合わせる必要はあるのか、と。伝えたいことを動画の中で説明して送るんです。「アリかナシかだけ判断してくださいねー」とか言いながら。受け取った相手は移動の電車でもタクシーの中でも見ればいい。風呂入る前でも寝る前でも、いつでもいいわけです(笑)。

—なるほど。たとえ忙しくてもスキマ時間で見れるわけですね。

山口:それでいて、送る側は1回の動画で渾身のテンションで説明すればいい(笑)。見る方は何回でも再生できる。聞き逃すこともないんです。チャットワークはテキストのやりとりって思われていますけど、こうして動画も使える。内容の重要度、緊急度で使い分ければいいんですよ。とにかく、人の時間だけは有限なので、そこを奪わないように日頃から徹底していますね。

—電話で話したい!というケースはないんですか?

山口:電話なんか凶器ですよ(笑)。電話かける方はスキマ時間でも、かかってくる方は今やってる作業が止まってしまいますから。しかも、5分10分話して電話切った後、「えっと、何してたんだっけ」ってなる。だから創業以来、オフィスでの電話を禁止しているんです!

チャットワークに「既読」表示がないのも同じ理由です。あれもストレスなんです。「見てるはずなのに返信がない!」とかね。我々には「Make Happiness」という理念があります。「時間・人・お金に効く働き方を、ITでやりましょう」ということですね。

資料は探さない。議事録もいらない。訪問時はPC1台だけ!

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—オフィスに紙文書があると、必ず生まれるのが「管理する」という課題だと思います。チャットやクラウドの場合、資料を管理する上で気をつける部分はありますか?

山口:正直、管理はしてないんですよね。検索して取り出せればいいので極端な話、整理整頓もしなくていい。だらしないかもしれないですけどね(笑)。僕の場合ですが、約4000個のチャットに参加していて、整理なんてできないんですよ。なので、検索窓からワードを入れて見つける方が早い。あえて言うなら、検索しやすいファイル名、チャット名にすることと、そのファイルが運用中なのか、終わったものなのかがわかるようにルールを定めるのは必要かもしれません。

紙にフォーカスするなら、ビジネスチャットで何をしているかというと、みんな「会議」をしてるんですよね。だとすれば、お互いの発言やアイデア、決定事項が時系列で残るんです。つまり、そのまま議事録になっているんです。“議事録フリー”ですよ。

—会議の議事録を紙で残すことはもちろん、議事録を作る必要もなくなると?

山口:はい。チャットワークは割と士業さんに利用していただいているんですが、その理由の一つが「言った、言わない」がなくなる点。全ての発言が残りますから。士業やコンサル業界には対してはそういう利点もあるかと思います。

—そうして導入事例が増えている一方、まだまだ「本当にできるの?」と感じる方も多いように思います。例えば営業では「取引先を訪問して、紙の資料を広げて」がやっぱり必要だったり…。

山口:紙がない素晴らしい世界をイメージできるかどうか、それは大事だと思いますね。そういうお客様に選んでほしい。ITの知識があるとかリテラシーが高いとかは関係なく「チャットワークを使えば、誰でもこんな働き方ができます!」という点をわかってほしい。

実際の例ですけど、今でも打ち合わせや訪問時に手ぶらで行っしまうんですよ。そこでちょっとレガシーな会社さん相手だと「なんと無礼者が!」みたいな空気になることもある(笑)。あまりにも認識が違うところは我々のお客様にはならないのかなって思ってしまいますね。「ウチのラーメンには煮干しは入れへんねん!」って決めたら、そうなんですって話ですね(笑)。

—最後にお聞きしますが、今の業務を振り返って、必要に感じる紙ってありますか?

山口:一つあるとすれば、表彰状ですかね。各事業所に家庭用のプリンターが1台だけあるんですけど、まあ普段使わないんで、いざ表彰状出そうって時に、印刷がカスカスになってたり、色がなかったり(笑)。「直接もらって嬉しい」と思うので、紙で出してますね。でも、それも邪魔かも…。だって、袖机ないですし(笑)。

—なるほど(笑)。本日はありがとうございました!

紙をなくしたからこそ、見えた世界

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▲ChatWork社の執務エリア。お話の通り、紙を使う様子はありません

情報共有のツールとして長らくビジネスを支えてきた「紙」。しかし、ビジネスのスピードが格段に増し、そのフィールドもグローバル化していく現代では、「距離と時間を超えられない」という大きなストレスが紙には存在します。チャットワークを使った働き方は、いとも簡単にそのストレスを解消します。取材中、山口さんは会社の成長を振り返りながら、こんな言葉をつぶやきました。

「紙を持ち続けていたら、ここまでスピーディーに動けなかったでしょうね」

紙ではないから、できることがある—。ChatWork社の姿が、働き方が、それを体現しています。

次回:ChatWork社取材後編へ!なんと、チャットワークを使って代表取締役 山本敏行さんにインタビュー!?
シリコンバレーに移住し働くChatWork社代表取締役 山本敏行氏が語る「私が紙を嫌うワケ」

取材協力:ChatWork株式会社